Leica M11 with Super-Angulon and DR Summicron
ライカM11で新たにできること

Leica M11 + Super-Angulon-M 21mmF3.4 写真・文=澤村 徹

 

ライカM11を入手した。冷静さを失わないと買えないほどにお高いカメラだが、発表当日に予約を入れた(冷静ではなかった)。これには明確な理由がある。ライカM11はオールドライカレンズを手厚くサポートをしたボディだからだ(もちろん、プレスリリースにはひと言もそんなことは書いてないけど)。日頃からオールドレンズばかり使っている筆者にとって、最新デジタルカメラはさほど必要性を感じない。ミラーレスならα7 Ⅲで十分だし、ライカもM240で事足りる。それでもなお、ライカM11は魅力たっぷりだ。なぜか? ライカM11はオールドレンズファンにとって新たにできることが盛りだくさんなのだ。ここでは象徴的ともいえるふたつの事例を紹介しよう。

ひとつめはスーパーアンギュロンが使える点だ。周知の通り、Super-Angulon-M 21mmF3.4はオールドライカレンズ界きっての名広角レンズだ。それなのに、既存のデジタルM型ライカでは使えなかった。正確には装着自体はできるのだが、マゼンタかぶりがひどい上に、大きな後玉がカメラ側の測光用センサーを隠してしまい、露出が大暴れする。使えるけどいまいち使い勝手がわるいレンズだったわけだ。ライカM11はCMOSセンサーで測光するようになり、スーパーアンギュロンを付けても露出が暴れない。しかも新型のUV/IRフィルターが功を奏したのか、マゼンタかぶりも軽減した。これまで使えなかったレンズが使える――これはライカM11を購入する大きなアドバンテージになるだろう。

 

Leica M11 + Super-Angulon-M 21mmF3.4 絞り優先AE F3.4 1/50秒 -0.67EV ISO64 右上に若干マゼンタかぶりが残るが、この程度は許容範囲だろう。輝度差の大きいシーンでも自動露出で問題なく撮影できた。

 

Leica M11 + Super-Angulon-M 21mmF3.4 絞り優先AE F3.4 1/1000秒 ISO64 真逆光で撮影。ハイライトがズボッと抜けることなく、しっかり粘っている。画質面での大きな改善点だ。

 

ふたつめはDRズミクロンだ。通常撮影とマクロ撮影に1本で対応するDR Summicron 50mmF2は、そのデュアルレンジ仕様が禍し、デジタルM型ライカでは使用不可レンズになっている。具体的には、無限遠側にピントリングを回すと、カムが内部干渉して無限遠撮影できない。ちなみに、ライカM11の取扱説明書にはDRズミクロンは使用不可レンズと明記されている。

 

Leica M11 + DR Summicron 50mmF2 取説では使用不可リストに挙がっているDRズミクロンだが、自己責任かつ制約ありの状態で、無限遠撮影ができた。

 

ただし、ライカM11には裏ワザがある。ここからは自己責任での作業になるので、試すときは十分に注意してほしい。ライカM11はマウント内部が広くなり、DRズミクロンで無限遠撮影できる余地がある。ピントリングを∞マーク側に回していくと、無干渉のまま∞マークに到達。シャッターボタンを押し込む。液晶にプレビューが現れた。ついにデジタルM型ライカでDRズミクロンの無限遠撮影に成功した。

 

Leica M11 + DR Summicron 50mmF2 絞り優先AE F2 1/80秒 ISO800 AWB RAW ピントリングを∞マークにセットし、電子シャッターで撮影した。

 

Leica M11 + DR Summicron 50mmF2 絞り優先AE F2 1/80秒 +1.33EV ISO250 AWB RAW 念願のDRズミクロンでの無限遠撮影。α7で撮ればいいじゃん、などと冷静になってはいけない。

 

スーパーアンギュロンとDRズミクロン――デジタルで使えないオールドライカレンズ二大巨頭が、自己責任下とはいえ、ライカM11では使えるようになった。ライカM11はまったくもって飛んだサプライズだ。いまは製品発表時に冷静さを失ってよかったと思っている。

 

※DRズミクロンの内部干渉について記述を修正しました。追加レポートはこちらをご覧ください。


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