Nikon Z f Ever-ready Case
鳥井工房のNikon Z fケース


写真・文=澤村 徹


やっとNikon Z fのドレスアップが完成した。長かった。鳥井工房待ちだった。Nikon Z fが登場していろいろなメーカーから対応ケースが発売されたが、どれも無難な感じで置きにきている気がした。ケースは積極的に付けたい派なのだが、ここはグッとこらえて鳥井工房を待つことにした。

いや、実は待てなかった。手元にブラック凜々しいNikon Z fがあるのに、待てるわけがない。でも、鳥井工房は裏切らない。待ちたい。そんな葛藤の末、先にストラップを買った。WotancraftのParashooterというモデル。レザーとパラシュートコードを組み合わせたヤバい奴だ。

実のところ、Artisan & Artistがすでにパラコード×アクリルテープで似たことをやっている。写真ジャーナリスト、ショーン・フリンが使っていたパラシュートコードのストラップが元ネタという点も一緒(両社のホームページにその記載がある)。ただ、パラシュートコードの扱い方にどちらも個性があり、ショーン・フリンのパラコードストラップが気になるなら「両方買え!」ということだと思うのだ(両方持ってる)。

パラシュートコードの両端をレザーに編み込んでいる。ウネウネと波打つパラコード。この異素材格闘技が熱い。


カラーは007という型番のモスグリーン。レザーもパラシュートコードもどちらもモスグリーンだ。そもそも従軍カメラマンのストラップが元ネタなのだからモスグリーン、いや、礼を尽くしてあえてミリタリーグリーンと言おう。由緒正しい軍用カラーを、勝手にサファリなどとアフリカンでアウトドアなイメージに変えようとした奴らに突きつけてやるがいい。これはミリタリーグリーンだと!

昨年末、鳥井工房のNikon Z fエバレディケースの受注がはじまった。もちろんカラーは一択だ。カメラボディは黒、ストラップはミリタリーグリーン。ケースの色は自ずと決まる。いいか、せえので一緒に言うぞ。せえの、バーガンディー!

バーガンディーとは赤紫のこと。要はワイン色だ。バーガンディーと書いた方がオシャレ達人っぽく見える。


ミリタリーグリーンじゃないって。緑に似合うのは紫。補色の関係。ホワイトバランスでも色かぶり補正はグリーンとマゼンタが対になってるでしょ? ミリタリーグリーンに似合うのはバーガンディー。おぼえておいてくれ。

全身ミリタリーウェアで街中を歩くと痛い人だ。カメラドレスアップもしかり。グリーン×グリーンだとミリタリーガチ勢っぽいので、バーガンディーを組み合わせる。


そんなわけで、ブッテーロワインのNikon Z fエバレディケースが到着した。いつもながらも完成度の高い仕上がり。その昔、カメラのレザーケースはゆるゆるが当たり前だったんだぜ、という話を若者は信じてくれるだろうか。ハンドメイドでこの高精度フィット。一体どうなっているのか。人類はどこまで進化するのか。いや、単に鳥井工房の鳥井さんがすごいだけなのだが。

鳥井工房

Wotancraft