CP+2025 Maniac Report
今年は宿り木がある

写真・文=澤村 徹
今年は大丈夫だ。去年は寂しいCP+だった。マウントアダプターや中国製レンズ関係の出展が少なく、一体どこを見て回ればいいのか、居場所のなさがハンパなかった。ただ、今年は大丈夫だ。我らが焦点工房が、しかもけっこう大きなブースで出展している。宿り木のあるCP+、いま幸せを噛みしめている。
コシナから見ていこう。いつも参考出展でわれわれを楽しませてくれる同社だが、今年はいつにも増して本数が多い。特にミラーレス用のオータスは困る。オータスの凄さは十分に理解しているのだが、「あれは一眼レフ用だから」という買わずに済ますいい口実があった。ミラーレス用が出てしまったらもうストッパーがない。自分に言い訳できない。




焦点工房は過去イチ広いブースでの出展となった。取り扱いブランドが多く、オールドレンズや中国製レンズが好きな人にはたまらない空間だ。現行レンズの洗礼で心が疲れたら、ここに来ればいい。オールドレンズファンにとって心のオアシスだ。ただ、S21オマージュがしれっと置いてあり、魔窟感がハンパないことになっていた。






カメラホリックで何度か紹介したことのあるズノンが、CP+に初出展していた。ゾーンプレート、ピンホールといったレンズレス光学製品。極薄フィルムに凹凸をつけるという高度な技術を要する製品だ。普通のレンズよりかなり安いので、手軽に試せるのがありがたい。


今回のCP+で改めて実感したのはレンズシーンの転換期だ。まずシネレンズを展開するメーカーが明らかに増えた。また、中国メーカーはこぞってAFレンズに参入。勢いを感じる一方でスチル派としては寂しさもある。ちなみに、会場には動画をやっているインフルエンサーがたくさんいたので、シネレンズやジンバル関係はけっこうな盛況ぶりだった。








最後に告知もかねて出版社ブースを。まずは玄光社。新刊「モノクロRAW現像読本」が会場で購入可能。というか、CP+での販売に合わせてこの本は執筆した。締め切り厳守のなかなか胃の痛いお仕事なのだ。もうひとつはカメラホリック。今回、金曜日からカメラホリックレトロ3冊セットをお得価格で販売することが決定。レトロシリーズはだいぶ攻めたオールドレンズ本なので、マニアにお薦めしたい。CP+のお土産にぜひ。

