Leica Visoflex2
ライカのアクセサリーは修理不可

写真・文=澤村 徹


ライカのEVF、ビゾフレックス2が壊れた。壊れたといっても像が映らないとか、そういう重度の故障ではない。前面パネルがポロッと取れてしまった。

取れた箇所を見ると、接着剤の跡がある。ネジ止めとかハメ込んで固定するのではなく、接着剤オンリー。これなら自分で修理できそうだ。ただ、接着剤は揮発性の成分を含んでいたりする。精密機器にはどのような接着剤がいいのだろうか。Facebook上のJLUG(Japan Leica User Group)で質問してみた。たくさんの意見をもらったのだが、ビゾフレックス2のパネル、思った以上に厄介なものだとわかった。コメントをまとめると以下のようになる。

・ビゾ2のパネルが外れた:4名
・カスタマーケアで直した:3名


前面パネルの脱落はビゾフレックス2の持病みたいだ。脱落経験者がけっこういた。そして「自分はカスタマーケアで直してもらった。シロート修理などせず、お前も直してもらえ」というアドバイスが多数派だった。とりあえず、パーセルテープで前面パネルを仮止めして銀座に向かった。

ライカ銀座店の2階、カスタマーケアにビゾフレックス2を持ち込み、事情を説明しようとすると、それを遮るように担当の男性職員がこう言った。

「アクセサリーは修理できません」


けんもほろろだった。症状を改めて説明する。像が映らないとかそういう話ではなく、接着されていた前面パネルを再度接着してほしいだけだ、と。担当者は「それでは確認してきます」と言い、奥の部屋に消えた。

戻ってきても彼の答えは一緒だった。「アクセサリーの修理はできません。販売店に持ち込んでもらい、保証期間内なら新品交換になるかもしれません」と。また、保証期間外の場合は、何かしら条件を満たせば半額程度で新品を購入できるように云々と言っていた。JLUGのメンバーがカスタマーケアで直してもらったという話を持ち出してみたが、まったく取り合ってもらえなかった。

「これは御社の公式見解という理解でよいか?」

そう訊ねてみた。彼は「そうです」と答え、「ここの管理者に確認した上での答えです」と付け加えた。アクセサリーは修理しない。これがライカカスタマーケアの公式見解だ。このことを確認して帰路についた。

腑に落ちないことが2つある。1つ目はなぜ修理してもらえる人と修理してもらえない人がいるのか。その線引きはどこにあるのだろう。どうして自社製品のユーザーに等しくサービスを提供しないのか。

2つ目、「EVF 修理」で検索してみると、おおむね日本のカメラメーカーはEVFの修理に対応している。自社製品なので当たり前だ。でも、ライカ社はアクセサリーを修理しない。ちなみに、ビゾフレックス2はライカオンラインストアで税込115,500円だ。