ALPA Mount Adapter
使えるアルパアダプターを探せ!
アルパ用マウントアダプターを3つ試すハメになった。カプラーではない。マウントアダプターだ。高価なカプラー3つだったら、今月のこづかいがすべて消えてしまう。マウントアダプターだったのは不幸中の幸いだろう。それでも3万円ほどの出費でなかなか痛いのだが。
事の発端は、アルパマウントのアンジェニューだ。絞りリングの代わりに絞りダイヤルがあるタイプのアンジェニュー。前々からほしかったこいつを手に入れた。手持ちのKIPON製ALPA-NEXでα7 IVに装着したところ(冒頭の写真参照)、絞りダイヤルがボディのグリップ側に傾いていた。無限遠は出ているので実用上は問題ない。しかし、レンズとの相性が悪かった。
今回手に入れたのは、P.Angenieux Paris 28mmF3.5 R11だ。レンズ側面にレリーズアームがあり、これがそこそこ大きい。そのため、ボディのグリップ側に傾いていると、グリップを握った中指がレリーズアームとグリップの間に挟まってしまう。レリーズアームはエッジが立っているため、撮影中に指を切ってしまうリスクを感じた。無限遠が出るので実用上の問題はないが、撮影中は指がレリーズアームに当たらないように常に気を配る必要がある。これはちょっと面倒だ。
そこでFotodioxのALPA-NEXを購入。ディスカバーフォトで8,800円だった。装着すると、アンジェニューの絞りダイヤルが真上を向いている。美しい姿だ。ところが、無限遠が出ない。絞り込んでも被写界深度内に入ってこない。試しにMacro Switar 50mmF1.8を装着してみると、こちらも指標は真上を向いているが無限遠が出ない。レンズ2本試してどちらも無限遠が出ないので、このマウントアダプターは未来永劫お蔵入りだ。
諦め切れず、MetabonesのALPA-E mount Tを購入。ソフマップで23,219円だ。ソフマップでマウントアダプターが売っていることに驚いたが、調べてみるとビックカメラが系列になっていた。なるほどね。早速アンジェニューを装着すると、絞りダイヤルは真上を向き、無限遠も出る。ただし、ものすごくオーバーインフだった。どのくらいかというと、アンジェニュー28ミリF3.5のピントリングで3mのあたりで無限遠が出る。マクロスイター50ミリF1.8だと50フィート近辺で無限遠だった。目測で最短を確認したところ、アンジェニューが50cmぐらい、マクロスイターは20cmぐらい。これなら実用は問題ない。でも、広角レンズでオーバーインフはつらいなあ。広角は風景撮影がメインなので、どうしても無限遠撮影が多い。その都度、拡大表示で無限遠を合わせるのは手間だ。
【まとめ】
●装着レンズ(アルパマウント)
Macro Switar 50mmF1.8
P.Angenieux Paris 28mmF3.5 R11
●マウントアダプター
KIPON ALPA-NEX
絞りダイヤルが傾き、レリーズアームが指に当たる。無限遠はどちらのレンズも出る。
Fotodiox ALPA-NEX
絞りダイヤルは真上の向き、レリーズアームは指に当たらない。無限遠はどちらのレンズもわずかに届かない。絞り込んでも被写界深度内に入らない。
Metabones ALPA-E mount T
絞りダイヤルは真上。アンジェニューは極端なオーバーインフ。ピントリング3mで無限遠。最短は0.5mぐらいなので、実用は問題なし。マクロスイターでもオーバーインフ。50フィートぐらいで無限遠。最短は20cmぐらい。
3つのアルパ用マウントアダプターを試しが、見事に三者三様。そして、どれひとつとして、満足のいく品質ではなかった。RAYQUALからアルパ用マウントアダプターが発売されないものだろうか。仮に5万円超えでもRAYQUAL製なら買いたい。