Photographer’s Bag to carry your Dream
ドローストリングスタイルに目覚める
とあるカメラバッグを試用中だ。写真家のハービー・山口氏とDOUBLE O DESIGNBOOKがコラボしたカメラバッグ。ハービー・山口氏をイメージしてデザインしたカメラバッグだという。2022年8月中旬までクラファン中なので、製品やコラボの詳細はクラウドファンディングのサイトを見ていただくのがいいだろう。
さて、このカメラバッグの最大の注目点は巾着タイプ(ドローストリングスタイル)という点だ。カメラバッグの開口部はジッパーやフラップがお約束。巾着式のバッグはめずらしい。理由は簡単で、カメラという高級機材を収納する性格上、巾着式だとセキュリティー面で不安があるからだ。もちろんこのバッグはそんなことを百も承知で、あえてこのスタイルを選んでいる。何しろ巾着式だとカメラの出し入れが圧倒的にスムーズなのだ。
ジッパーやフラップはどこかしらに金属パーツがあり、カメラと金属の接触に気をつかう。ライカのような高級機材を使っている人だとカメラの出し入れは相当慎重になるはずだ。これでは使いたいときにすばやくカメラを取り出せない。
だからこそ巾着式なのだ。ガバッと開口部を広げ、気負わずにカメラを取り出せる。仕舞うときもドローコードをギュッと引っ張るだけでいい。昨今、カメラを提げているだけで周囲から視線を感じることもある。速やかにカメラを取り出し、速やかに仕舞える巾着式は、カメラを取り巻く時代性ともマッチするだろう。
このカメラバッグを試用して閃いたことがある。それはハンドストラップの活用だ。カメラの出し入れが快適なこのバッグなら、もはやネックストラップでカメラを提げるまでもない。ハンドストラップでテンポ良く撮って仕舞ってをくり返せばいい。本製品とハンドストラップを組み合わせると、カメラの露出を最小限に抑えられるだろう。
筆者は普段、カメラを2台持ちすることが多い。ここでは2台のライカに標準レンズと35ミリレンズを付け、収納してみた。インナークッションの見た目はずいぶんとコンパクトだが、レンズ付きのライカ2台を問題なく収納できた。個人的には一方にネックストラップ、もう一方にハンドストラップを付けたスタイルがお薦めだ。通常は首から提げたネックストラップ付きのライカで撮影し、必要に応じてハンドストラップ付きのライカをバッグから取り出す。そんな使い方がこのカメラバッグには似合いそうだ。
最後にマテリアルについて触れておこう。レザータイプはホースハイドを使用。光沢があるので硬そうに見えるが、実物は驚くほど柔らかい。馬革は得てして柔らかいとは言え、このしなやかな手触りは特筆に値する。コットンタイプはカーキ、ブラック、ホワイトの3色を用意しており、今回はカーキを借りることができた。写真だとわかりづらいかもしれないが、バーバリーのコートみたいに玉虫色の微光沢がある。どちらも実物を手にしたとき、その質の良さに大きなサプライズを感じるだろう。所有するよろこびに満ちたカメラバッグだ。