Leica M Typ240
線状画素欠損の修理

Leica M Typ240 + Planar 50mmF2 Contarex 写真・文=澤村 徹

 

長らくライカMタイプ240を寝かせていた。2019年の秋を最後に、ずっと防湿庫で寝かせていた。別にライカM10を買ったからではない。横線がピーッと走るからだ。言語センスが幼児退行しているが、横線ピーッとしかいいようがない。

撮影した画像の上から1/4ほどの箇所に、極細の横線が走る。その部分に何かしら被写体があると目立たないが、空や壁だとくっきりと横線が見えるのだ。画像処理で消せるものの、OKカットすべてをチマチマ直していくのは相当な手間だ。イメージセンサーの不具合であることはまちがいないだろうから、修理代は高くつきそう。そもそもライカというだけで修理代は高い。というわけで、そっとライカMタイプ240を防湿庫にしまい、もっぱらライカM10を使っていた。

 

故障したライカMタイプ240で撮った画像。空の部分に細い横線が走っている。

 

一部拡大してみた。横線がくっきりと見える。画像編集で対処できなくもないが、まあ面倒だ。

 

ちなみにこのM240は、ルミエールでウェザリング加工(エッジの真鍮を露出させる処理)をお願いしている。オンリーワンボディなので、さすがに放置プレイはもったいない。ネットで調べてみると、この横線ピーッはデジタルM型ライカの持病のようで、同様の症状を修理したというブログ記事やツイートをいくつか見かけた。イメージセンサーを交換する必要はなく、ソフトウェア的にピクセルマッピングして直すらしい。これなら金額的にもさほど大きなものにならないだろう。

ライカのサポートページから修理申込書をダウンロードし、不具合内容を記入。ボディに添えてライカカメラジャパンカスタマーケアに宅配で送る。数日して修理を受け付けたとメールがあり、さらにしばらくして、症状と対処法、修理見積もりを記したメールが届く。この間、一週間ほどだ。

そこからさらに10日ほど経過し、修理が完了したと連絡があった。今回の症状は横方向の線状画素欠損。これをイメージセンサー画素補正作業にて補ったという。修理代金は税込で36,190円だった。小さい金額ではないが、ライカの修理としては軽微な部類だろう。

 

Leica M Typ240 + Planar 50mmF2 Contarex 絞り優先AE F2 1/1500秒 -0.66EV ISO200 AWB RAW 修理上がりのファーストショット。こういう図柄だと、線状画素欠損があろうとなかろうと関係ない。

 

約1年半ぶりにライカMタイプ240で撮影したのだが、M240はライブビューだと中央しか拡大できないとか、コントラストが強すぎて気を使うとか、AWBが黄色かぶりしやすいとか、懐かしさよりもアラが目立ってしまった。愛着だけでは乗り越えられないこともある。