Dora Goodman Skoon Strap
高張力スレッドとシャックルの協奏曲

ドラ・グッドマンは女性のアナログカメラカスタムビルダーだ。彼女のインスタグラムでカスタムされたカメラを見て、言葉を失うほど衝撃を受けた。貼り革の代わりにウッドを薄くスライスして貼り付けているのだが、そのセンスが抜群なのだ。濃淡や木目の異なる複数のウッドレイヤーを用意し、寄せ木細工のように繊細な模様を描く。ウッド仕様のペンタコンシックスを見た時は、素で悶絶しそうだった。その美しさもさることながら、ペンタコンシックスをカスタムビルドする感性が最高じゃないか。
そしてある日、ドラ・グッドマンのインスタグラムに、カスタムカメラとオリジナルストラップのセットの写真がアップされる。このオリジナルストラップが斜め上を行くスタイルだった。ストラップ両端の取り付け部に、スレッドを積極的に見せる独特のステッチを施している。しかもシャックル(U字金具)という個性的なパーツを選んでいて、既存のストラップと一線を画したデザインだ。買いたい、今すぐほしい。一応、インスタグラムの写真は売り物がアップされているようなのだが、メッセージを送って直接やり取りしなければならない。英語が不得手な自分にはハードルが高い。買いたいけど買えないモヤモヤを抱えたまま数ヶ月、ついにドラ・グッドマンのオフィシャルサイトが誕生した。しかもショッピングカートもある。躊躇せずポチッたのが、このスクーンストラップである。

スヌークストラップは特徴は、やはり取り付け部の繊細な雰囲気だろう。けっして華奢なパーツを使っているわけではないが、女性のイヤリングに似た趣がある。取り付けパーツを組み合わせることで、カメラ側の様々な形状に対応可能だ。全部つなげると装飾過剰な雰囲気は否めないが、ケースなどを付けない素のM型ライカと組み合わせると、一点豪華主義的な見え方がとてもおもしろい。ちなみに、スレッドは高張力タイプで、耐重性に配慮した作りになっている。


ストラップ本体のレザーはオイル分が少なめで、夏の屋外で数度使ってみたが、気になるほどの色落ちはなかった。コバは切りっぱなしだ。あえてコバ磨きしないところが、繊細なスレッドワークとコントラストがついておもしろい。gordy’s camera strapやRock n Roll strapsのように、真のオリジナリティーを感じさせるカメラストラップの登場だ。