JAY TSUJIMURA Hasu-Lotus Soft Release
外国で目覚める日本の印象

フローラフ柄のトレジャーグリップと、ロータスソフトレリーズを組み合わせた。ともに肉厚で、思っていた以上にインパクトのあるスタイルに仕上がった。

ライカの軍艦部はアイデンティティーが宿る場所だ。と言ったら格好のつけすぎだろうか。しかしながら、ソフトレリーズボタンにせよ、ホットシューカバーにせよ、実用性重視で選ぶ人は少数派だろう。特にホットシューカバーは基本的に装飾品だ。だからこそ、ライカの軍艦部にアイデンティティーが宿るのだ。

ジェイツジムラのロータスソフトレリーズは、その名の通り、蓮の花がデザインモチーフだ。夏、公園の池にでも行けば、イヤというほど蓮の花を拝める。日本人にとってあまりに身近なモチーフだ。回りくどい言い方はやめよう。日本人にとって、蓮の花はクールなデザインモチーフなのか、という話だ。

ここ数年、ジェイツジムラは和テイストのカメラジュエリーを連発している。菊、桜、蓮、鯛、手裏剣。日本人にはおなじみすぎるモチーフばかりだ。これが外国のライカユーザーに飛ぶように売れているという。もちろん、和テイストが外国人にウケるというような簡単な話ではない。デザイナーが日本の美を再構築し、それが受け入れられているのだ。日本人が日本に居ながら、日本を再評価するのは容易ではないだろう。

 

左から、Kiku、Sakura、Hasu、Ninja、Medetaiだ。日本の美をモチーフにしつつも、けっして和風デザインというわけではない。この絶妙なさじ加減が人気の秘密だろう。

では、ジェイツジムラの和シリーズは、日本人にとってどういう存在なのか。慣れ親しんだモチーフゆえに、特別な装飾品という印象は薄いだろう。ただ、和シリーズを付けたライカを海外に持ち出すと、状況が一変する。異国語に囲まれ、知らない道に立つ。好奇心が強いうちはどこまでも歩いて行ける。ただ、ひとたび未知の場所に不安をおぼえてしまうと、もう進めない。そんなとき、指先に触れる蓮の花が、桜が、菊が、少しだけ力を与えてくれる。見知らぬ土地でも自分は自分。それ以上でもそれ以下でもない。ライカの軍艦部にアイデンティティーという名の花が咲く。それがジェイツジムラのカメラジュエリーだ。

JAY TSUJIMURA Hasu-Lotus Soft Release


Related Posts

L’Artec camera grips for Leica M <br>ウッド×ブラスの相性が最高だった

L’Artec camera grips for Leica M
ウッド×ブラスの相性が最高だった

  M型ライカ用のハンドグリップは、正直なところあまり興味はなかった。取って付け […]

Light Lens Lab 35mm F2 <br>周八枚と呼ばれる8枚玉クローン

Light Lens Lab 35mm F2
周八枚と呼ばれる8枚玉クローン

  周八枚というレンズがライカユーザーの間で話題になっている。いわゆる8枚玉クロ […]