Triotar 8.5cmF4
外爪コンタックスCで距離計連動

Leica M10 + Triotar 8.5cmF4 + Amedeo Adapter 写真・文=澤村 徹

 

オールドレンズ界隈では、「諦めが肝心」という場面が多々ある。その冴えたる例がカプラーの距離計連動だろう。連動しなくて当たり前。ぼちぼち連動してくれればラッキー。そういう世界だ。最近はデジタルM型ライカもライブビューが使えるから、なおのことカプラーの距離計連動には期待しなくなった。だから、Triotar 8.5cmF4もライブビューで撮るつもりだった。

入手したのはブラックニッケルのTriotar 8.5cmF4だ。世界がコロナ禍になる前、田中長徳さんとカメラホリック編集長、そして筆者の三名で食事をしたときのこと。トリプレットの話になり、両名がそろってトリオターを推してくる。トリプレットといえばトリオプラン、みたいな風潮にちょっと飽きていたので、トリオターという選択肢はとても新鮮だった。どうせ買うならブラックニッケルと物色しはじめたが、ブラックニッケルのTriotar 8.5cmF4は出物が少ない。入手するのにずいぶんと時間がかかってしまった。

Triotar 8.5cmF4はコンタックスCマウントの中望遠レンズだ。取り付けは外爪式。オールドレンズ界隈の住人は周知と思うが、コンタックスCカプラーの外爪は鬼門だ。建前上は外爪式レンズが装着可能だが、実際につけてみると、取り付けが硬かったり、逆にゆるゆるで外れそうになったりと、まったくいいことがない。コンタックスCのカプラーは内爪式レンズ、要は50ミリレンズを使うためのものなのだ。

そんなわけで、Triotar 8.5cmF4はマウントアダプター経由でライブビュー撮影するつもりだったのだが、とある情報筋からAmedeo Adapterなら外爪レンズも距離計連動するという話を聞いた。Amedeo Adapterは距離計連動精度が高いと人気のカプラーだ。もしかするとしなくても、これはワンチャンあるかもしれない。

 

Triotar 8.5cmF4とAmedeo Adapter。このカプラーはブラックニッケルの限定モデル。ブラコンのレンズと組み合わせる最良のパートナーだ。

 

実際にTriotar 8.5cmF4をAmedeo Adapterに取り付けてみる。硬くも緩くもなく、スムーズに装着できた。ライカM10で撮影する。距離計連動は無限遠から近接までわるくない精度だ。開放F4のレンズだから被写界深度が深く、中望遠といえども実用可能な距離計連動精度だった。外爪式レンズ、カプラーでいけるのか……と遠い目になる。

この話をオールドレンズ仲間と共有すると、これはAmedeo Adapterだからなし得たことだと判明した。他社カプラーの場合、筆者の経験則同様、外爪式レンズは取り付けすらままならないという意見が大半だった。無論、Amedeo Adapterとて外爪で付くレンズ、付かないレンズがあるだろう。Triotar 8.5cmF4がたまたまうまくいっただけかもしれない。それを踏まえてもなお、外爪式レンズを距離計連動で使えた事実は大きいと思うのだ。

 

Leica M10 + Triotar 8.5cmF4 絞り優先AE F5.6 1/750秒 -0.67EV ISO200 AWB RAW 先鋭感のある写りではないが、素朴なシャープネスにトリプレットらしさを感じる。周辺部でも結像し、扱いやすい。

 

Leica M10 + Triotar 8.5cmF4 絞り優先AE F4 1/250秒 -0.67EV ISO200 AWB RAW 開放F4の前後のボケはあくまでも素直。クセのない描写だ。

 

Leica M10 + Triotar 8.5cmF4 絞り優先AE F5.6 1/125秒 -0.67EV ISO200 AWB RAW ハイライトとシャドウはバッサリ。あくまでも中間調寄りのレンズだ。フードがないとフレアが出やすい。

 

Leica M10 + Triotar 8.5cmF4 絞り優先AE F5.6 1/180秒 +0.67EV ISO200 AWB RAW ハイキーにて撮影。穏やかなコントラストも相まって、やさしい写りが印象的だ。

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