SHOTEN SE-NZ
ヘリアーハイパーワイドをニコンZで使う
SHOTENブランドから素のソニーE-ニコンZマウントアダプターが出た。これを心待ちにしていた人も少なくないだろう。すでにTECHARTからTZE-01が発売されているが、これは電子接点付きのスマートアダプターだ。ソニーEマウントのAFレンズを付ける分には重宝するが、ソニーEマウントのMFレンズ、特に電子接点付きのMFレンズとは相性が悪かった。ユーザーとしては実絞りで使いたいだけなのだが、なまじ電子接点があるものだから、誤動作を起こして実絞りでうまく使えないのだ。ソニーE-ニコンZのタダの輪っかがほしい。そんなニーズに応えてくれるのが、このSHOTEN SE-NZというわけだ。
SHOTEN SE-NZは、TECHART TZE-01から電子接点を取り除いただけの製品だ。これは概念としての話ではなく、本当にTZE-01からチップを取り外しただけだろう、と思いたくなる。それほどマウントパーツの構造はそっくりだ。
SE-NZで大きな恩恵を受けるレンズとしては、まずフォクトレンダーのソニーEマウントの製品が挙げられるだろう。これらは電子接点付きのEマウントレンズなので、TZE-01だと誤動作してしまう。一方、SE-NZとソニーEマウントのヘリアーハイパーワイド10ミリF5.6アスフェリカルを試したところ、問題なく実絞りで撮影できた。電子的な連携は一切なくなるので、EXIFへのレンズ情報書き込みとか距離エンコーダーの利用はできない。要はオールドレンズをマウントアダプター経由で使う際と同じ状態だ。
個人的にはツァイスのLoxiaをニコンZで使える点もありがたい。Loxiaも電子接点を搭載しており、TZE-01だとやはり誤動作して撮影できない。SE-NZだと実絞りで安定して撮影できた。絞りリングがあり、かつ電磁絞りではないソニーEマウントレンズは、SE-NZを介してニコンZで快適に撮影できるだろう。
TZE-01がAF機能を無効化できればいいのだが、現状ではそれができない。また、仮に無効化できたとしても、物理的に電子接点がない方が確実性が高い。SHONTEN SE-NZのような素のマウントアダプターというは案外使い勝手がいいのだ。