7artisans 50mm F1.1は距離計連動に対応したライカMマウントレンズだ。ただし、装着ボディはM型ライカのみというわけではない。マウントアダプターを介してミラーレス機にも装着できる。ライカMレンズのマウントアダプターと言えば、やはりTECHART LM-EA7が思い浮かぶ。そう、ライカMマウントレンズをAF化するドリームマウントアダプターだ。今回は7artisans 50mm F1.1にLM-EA7を装着し、AF動作を試してみた。
今回試写するにあたり、LM-EA7のファームウェアを最新のVer.5.0.0にアップデートした。ボディは像面位相差AFに対応したα7IIだ。LM-EA7は動作可能なレンズの重量を500gまでとしている。それに対し、7artisans 50mm F1.1の重量は398gだ。レンズの重量がAF動作を妨げる心配はない。
少々マニアックな話だが、鳥井工房のα7II Ever-ready case typ2 LM-EA7を使っている人は要注意だ。このレザーケースはLM-EA7の上から装着する特殊な製品だが、LM-EA7を覆ったレザーの先がかすかに7artisans 50mm F1.1と干渉する。AFを動作させると鏡胴とレザーがごくわずかに擦っている感触があった。実用上問題のないレベルだが、この組み合わせで使う場合は、干渉の可能性があることを一応心に留めておきたい。
LM-EA7はレンズを開放にして光をたっぷり取り込んだ状態での撮影が望ましい。その方が合焦精度がアップするからだ。ただし、開放が滲む大口径レンズでは、その挙動がどうなるのか。7artisans 50mm F1.1とLM-EA7の組み合わせで気になるのは、まさにここだ。7artisans 50mm F1.1は開放だとそれなりに像が滲む。果たしてLM-EA7でちゃんとAFが使えるのだろうか。
いろいろな場面で試写したところ、ノンストレスでAF撮影できた。中近距離でも、無限遠でも、おおむね狙った通りにピントが合う。ピント合わせで悩む場面が少なく、もちろん合焦ランプさえ点ればピント精度も堅実だ。しばらく使っていると、元々これはAFレンズなのだ、なんて勘違いしてしまうほどに快適だった。滲んでもLM-EA7で使える。これは7artisans 50mm F1.1の密かなアドバンテージと言えそうだ。
7artisans 50mm F1.1
TECHART LM-EA7
鳥井工房 SONY α7II Ever-ready case typ2 LM-EA7