Easy Defender
背面を守るカメラの座布団

ARTISAN & ARTIST* Easy Defender 写真・文=澤村 徹


アルティザン・アンド・アーティストが背面プロテクター「イージーディフェンダー」なる製品をクラウドファンディング中だ。三脚穴に固定し、カメラの背面を保護するというもの。スタイリッシュな製品が多いアルティザン・アンド・アーティストにしては、ずいぶん実用本位な製品だなあと意外な気がした。が、実物を送ってもらって手にした途端、考えが一変する。ただの背面カバーと思いきや、やけに重みがあって存在感がすごい。作り手のマテリアルへのこだわりがジワジワと伝わってくるのだ。

写真からの印象は実用重視のカメラアクセサリーだが、手にとるとクオリティーの高さに心躍る。さすがアルティザン・アンド・アーティストが手がけただけのことはある。日本製だ。

デジタルカメラの背面をカバーし、気兼ねなく背面を接地できる。ここではビゾフレックス2付きのライカM11に装着してみた。

メイン部はウレタンクッションとナイロンの二層構造、トップには合成皮革を配して雰囲気を高めている。ゴムコードを止めるクリップはデュラフレックス社製(アメリカの樹脂バックルなどで有名なメーカー)、コードの調整パーツと先端キャップはニコフ社製(国内老舗のプラスチックパーツメーカー)といった具合に、厳選されたパーツおよびマテリアルが使われているのだ。実用カメラアクセサリーもアルティザン・アンド・アーティストが作るとこういうことになるのかと、納得の質感だ。

ハンドル付きのネジで三脚穴に固定する。今回、鳥井工房のレザーケース越しに付けてみた。もちろん問題なく装着可能。ちなみに、ユリシーズのレザーケース付きのα7 IIIにも装着できた。

ゴムコードをレンズの下に引っかけ、本体のクリップに止めて装着する。レンズの大きさを問わず装着しやすい。Elmar 3.5cmF3.5のような極端に薄いレンズでなければ問題ないだろう。

使い方はシンプルで、ゴムコードをレンズ下に通してイージーディフェンダーのクリップに止める。これでカメラの背面とEVFを保護してくれるわけだ。主にミラーレスを意識した製品だと思うが、ここではビゾフレックス2付きのライカM11で試してみた。普段使いを想定して、鳥井工房のレザーケースを装着した上からイージーディフェンダーを取り付ける。この状態で問題なく背面とビゾ2をカバーしてくれた。

ゴムコードのストッパーをクリップに引っかける。シンプルでわかりやすい装着方法だ。樹脂パーツはそれぞれ信頼性の高いものを採用している。

撮影時はイージーディフェンダーをカメラ底面にまとめることが可能。欲をいえばもう少しスマートに収納できるといいのだが。

イージーディフェンダーは出先でカメラを直置きする際に威力を発揮する。屋外での撮影中、通常はカメラの底面をベンチやテーブルに着けるだろう。レンズが大きいとフロントヘビーになり、レンズ先端下部がダイレクトに接地してしまう。そのためこれまではストラップを丸めてレンズの下に敷くことが多かった。その点、イージーディフェンダーならカメラ背面を気兼ねなく接地できる。ベンチのみならず、岩場だろうとガレ場だろうと、かまわずカメラ背面を下にして置けるわけだ。かさばらない製品なので、普段カメラバッグに入れっぱなしにしておいて、必要な場面でカメラに装着するという使い方もいいだろう。イージーディフェンダーはいわばカメラの座布団だ。

ARTISAN & ARTIST* Easy Defender(Makuake)