Torii koubou Leica M10 NEW Ever-ready case
話題のアレが付く実用強化バージョン

鳥井工房から新型のライカM10エバレディケースが登場した。同社はすでにライカM10用ケースを複数ラインアップしているだけに、どのような仕様なのか非常に気になるところだ。ひと言で表すならば、ライカM10ケース史上、最強の実用強化版である。ポイントは3つ、バッテリー交換対応、新型モニターカバー、そしてサムレストレバー対応だ。早速ひとつずつ解説していこう。


まずはバッテリー交換対応だ。ライカMタイプ240の登場以降、ライカの裏蓋を外して装着するレザーケースが増えてきた。当初は裏蓋を外すという行為に抵抗感を示すライカユーザーが少なからずいたものだが、昨今はライカ用ケースのいちスタイルとして定着した。中国製ライカケースは底面にメタルプレートをあてがい、実に割り切った構造になりつつある。


鳥井工房の新型ケースは革の底面というオーソドックスなスタイルを踏襲しつつ、バッテリー交換に対応している。ライカから裏蓋を外した状態で本ケースを装着。底部のレザーパーツを取り外すと、バッテリーとメモリーカードに直接アクセスできる。これが何を意味するのかというと、ケースを付けたままガシガシ使い込めるわけだ。ライカM10は従来機に比べてバッテリーが小型化し、そのためバッテリー交換の頻度が増えた。この新型ケースならたびたびのバッテリー交換も安心だろう。
2つ目は新型モニターカバーだ。大型のモニターカバーをホックボタンとマグネットで固定してある。向かって左側のマグネットを外すと、モニターカバーをケースに付けた状態で液晶画面を確認できるという仕組みだ。無論、ホックボタンを外せばモニターカバーなしの状態で使用できる。


筆者の撮影スタイルを例にとると、普段は撮影直後にあまり画像チェックしないので、モニターカバーを閉じた状態が液晶保護の面からも都合がよい。とは言え、露出補正量やバッテリー残量はそれなりの頻度でチェックするため、モニターカバーをスッとズラせる仕様は実に便利だ。一方、距離計非連動のレンズでライブビュー撮影することが多く、この際はモニターカバーを外した状態が重宝する。このモニターカバーの仕様なら、いろいろな使い方に柔軟に対応してくれるだろう。なお、モニターカバーはオプションなので、省略することも可能だ。
3つ目はお待ちかねのサムレストレバー対応だ。サムレストレバーとは、ホビージャパンのカメラムック「Cameraholics」で初お目見えとなった巻き上げレバー型のサムレストである。ホットシューに装着すると、ライカM10に巻き上げレバーが生える。このレバーは可動式で、サムレストとして使用できるという変わりダネのアイテムだ。
誌面掲載から発売までに時間を要し、そのためライカM10ユーザーの間ではいつ出るのかと噂されることが多かった。新型ケースはこのサムレストレバーに対応している。サムレストレバーを付けた状態でケースを装着でき、さらにサムレストを引き出してホールドすると、ケース側のレザーパッチが親指の脇をさりげなくサポートする。サムレストレバーをより機能的に使えるのだ。なお、本ケースはライカ純正のサムレストには未対応なので注意しよう。


実用強化を徹底した新型エバレディケースは、ケースを付けっぱなしにしてアクティブに使い込む層に適している。実用性重視にも関わらず、けっして無骨に陥ることなく、その外観は他のタイプと同様にスマートだ。機能とデザインを昇華した、鳥井工房の真骨頂を感じてほしい。
Torii koubou Leica M10 NEW Ever-ready case
Torii koubou Old style strap