Lumière Camera 06 COPPER
あえてカッパーと名乗る理由

Lumière Camera 06 COPPER 写真・テキスト=澤村 徹

 

ルミエールから丸紐ストラップの新色、「06 COPPER」と「07 OLIVE」が登場する。これはあまり知られていないことだが、ルミエールはロープ系ストラップが流行る遙か以前から、アウトドアロープを使ったオリジナルストラップを販売してきた。いわばロープ系ストラップの老舗だ。それだけに今回の新色もこだわりに満ちている。

特に「06 COPPER」が秀逸だ。このストラップの色は、わかりやすくいうとブラウン、もしくはカーキベージュだ。しかし、そうした色の名称で表しきれない魅力がある。光沢を宿した絶妙な褐色。中間色なのに存在感がある。試作品を見せてもらったとき、真っ先に思い浮かんだのが銅を意味するカッパー(Copper)だ。ルミエールのタカハシ氏(クラフトマン)にその旨を伝えると、社内でもカッパー案が持ち上がっていたらしい。ただし、一般的な名称の方がよいのではと、保留になっていたという。この絶妙な佇まいが、月並みな名称でスポイルされるのは惜しい。何となくモヤモヤしたままお店を後にした。

 

左が「06 COPPER」、右が「07 OLIVE」だ。ともに税込5,000円。長さと二重リングのサイズはカスタマイズ可能だ。

 

後日、発売の連絡をもらい、製品名が「06 COPPER」に決まったことを知る。そうだ、そうだよ、やはりこの色はカッパーの呼び名こそが相応しい。タカハシ氏に詳しい話を聞くと、どうやら前々からこの色のロープを狙っていたらしい。ただし、オーダーできる最低ボリュームが大きいため、手を出せなかったそうだ。ところが今回、工場から小ロットでも対応するとの話があり、製品化のメドがついたという。「06 COPPER」はタカハシ氏がこっそりと温め続けた企画だったのだ。

さて、ルミエールの丸紐ストラップはすべての製品に共通ポイントがある。それは伸縮ゼロという特徴だ。重い機材を提げても一切伸縮しない。むろん、ストラップの伸縮性については好みがあるだろう。伸縮する方がたしかにカメラが軽く感じられる(軽くなるわけではない)。ただし、ロープストラップの場合、伸張したロープは細くなり、首や肩に食い込みやすい。軽く感じるという感覚とロープの食い込み。これはトレードオフとして成立するのか。こうしたことを踏まえると、ルミエールが伸縮ゼロのロープのこだわる理由が浮き彫りになる。ちなみに、ストラップにテンションをかけてカメラを固定する場合、伸縮ゼロの方が手ブレを防ぎやすいというメリットもある。

 

ライカM240をLMB-MCと06 COPPERでドレスアップ。レンズとカプラーもニッケルで同系色にまとめてみた。

 

最後に「06 COPPER」を使ったドレスアップで締めよう。このところ、アルティザン&アーティストのLMB-MCを愛用しているのだが、これと「06 COPPER」の相性が抜群にいい。LMB-MCのグレーベージュ、「06 COPPER」の微光沢のある褐色。濃淡のある同系色の組み合わせがたまらなくいい。ライカMタイプ240を持ち出すときはたいていこのスタイルだ。

 

Lumière Camera 06 COPPER

Artisan & Artist LMB-MC